ビダルフ・グレンジ・ガーデン Biddulph Grange Garden
ビダルフ・グレンジ・ガーデンまで1時間50分要して到着する。ここはビクトリア期・19世紀半ばのガーデンをナショナル・トラスト(NT)が復元したもので 素晴らしいとの情報だ。当時、世界各地から取り寄せた植物を植栽したイタリア風、エジプト風、中国風、ヒマラヤ風などのガーデンがあるという。
レセプションを通りハウスを出るとイタリア風テラスガーデンがある。階段の手摺や踊り場に置かれた大理石の壷の植栽に感嘆する。 フクシアやロベリアの健やかな育成振りは何としたことか。声も出ない。
テラスを降りると、ハウスに平行にダリア・ウォーク(Dahlia Walk)と名付けられた左右にダリアばかりを植栽した小径がある。イチイの木のヘッジだけでも見ものだが、
ヘッジで仕切られた各部屋に雛壇に並ぶように様々な種類のダリアが今が盛りと咲いている。ただ残念なことにここでも無粋な支柱が目立つ。
これだけヘッジで囲まれ保護されていても尚、支柱が必要なほどダリアの茎は弱いものなのか、陽だまりで確かめてみよう。
ダリア・ウォークの突き当たりにタワーがあり(写真下左)、ダリア・ウォークを見下ろすことが出来る(写真上右)。大胆に高低差をつけたものだ。
さらに南に掘られた湖(Lake)の植栽もきわめて高く厚いのだが、なぜか圧迫感はなくすっきり見える(写真上右2枚)。湖を回る通路には岩で築いたトンネルが 2ヶ所にあり楽しませてくれる。オリジナルのガーデンをデザインしたこの屋敷のオーナーのジェームス・ベイトマン(James Bateman)がお客様を驚かせるために 設計したことが見て取れる。
チャイニーズ・ガーデンに出た。ここもかなり力を入れて設計している。いかにも中国風カラーの橋や東屋、万里の長城を模したという石垣、ドラゴンをデザインした芝のカット、
大きな石のカエルなどがあるが、本物の中国ガーデンを見たことがない私だが、ちょっと首を傾げたくなる部分もある。
ここにはないが、イギリスで見るジャパニーズ・ガーデンは日本庭園ではない。あくまでも、日本風庭園ということになる。
裏返せば、陽だまりもイングリッシュ風でしかないということだ。心して置こう。
写真下左2枚もチャイニーズ・ガーデンだ。重々しい石のゲートや植栽は中国の雰囲気はする。
エジプト・ガーデン(Egyptian garden)がある。下左の写真にあるように二つのスフィンクス(Two Sphinxes)の間を通り、
暗い墳墓(Mastaba)に入ると壁が真っ赤に塗られたおどろおどろしい部屋に出る。そこに鎮座しているのがエジプト神話の神"Ape of Thoth"だという。
トキとヒヒの姿をしているらしいがユーモラスでもある。左の写真の上部に見える三角形はピラミッドを表している。奇想天外な発想だ。
ハウスの南側は一段目が石板のテラス、2段目がイチイの木でヘッジされたパルテア(Parterre)が6つほど並んでいる(写真上右2枚)。
その並びは果樹園だ(写真下右から2枚目)。そして、3段目のテラスがダリア・ウォークという壮大さだ。
設計図やオーナメントが残っていたから復元できたのだろうが、さすがNTだ。取り巻く森には"Pinetum"、
"Woodland Walk"、"Lime Walk"など世界中からの樹木が植えられているようだ。
ハウスは建物中央の一部(NTの受付があるところ)を除いてほとんどの部分が火災で焼け落ち、その後立て直されたものなので、NTの所有ではないのだという。
一般のフラットとして9世帯が住んでいるのだというが、当然のこと億ションだろう。
ショップを覘く。めぼしいものも見つからないが、小物が並んでいるコーナーに小さな平べったい石が置いてある。黒い中に灰色の模様が入っていて面白い。
何に使うためのものか分からないが、箸置きに使えそうに思い求める。箸のないイギリスで求めた箸置きはこれで5個目だ。
因みに我が家の箸置きコレクションは100個を下らない。
Address | Grange Road, Biddulph, ST8 7SD |
Telephone | 01782 517999 |
Web Site | Biddulph Grange Garden |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。
「旅行記」もご覧ください。